東京都の感染者数急増は小池都知事の独自戦略
- 2020.07.10
- アフターアース
昨日224人を出した東京都の感染者数ですが、その原因ともなっている検査数はどうして増えているのか。報道では夜の街に感染が広がっていて、クラスターを追跡する為に検査が増えているという事です。6日の時点で3700人にPCR検査を実施してこれは4月の206人を記録した時の検査数900人の約4倍です。
この中で小池都知事は検査数を1万人まで増やすと言っています。すると更に感染者数は増える可能性があり、1日400人超も心の準備として考えておかなければなりません。これがwith coronaの真の姿なのかもしれません。ではここからどうやって感染者を減らしていくのか。そこが国民に全く伝わって来ないのが今回の問題です。
小池都知事は夜の街を控えて感染対策をしっか行ってくださいと従来の発言を繰り返しているだけです。政府はイベントで5000人まで緩和を今日から実施し、8月1日にはGo toキャンペーンをスタートさせます。このままでは正に東京の感染者をばら撒くGo to with coronaキャンペーンに間違いなしになってしまいます。
どうしてこうなったのか?一つには前回の非常事態宣言は無駄だったという言説が出回っている事もあると思います。前回の非常事態宣言を出した時点では既に感染状況は縮小に転じており、主な原因はその前週に出された週末外出自粛要請で都民の行動変化が起こっていたからという結果が出ていたというものです。
この分析が求められたのはk値というものでこの行動変化で5月上旬には感染者が殆どいなくなるという分析が行われました。だから緊急事態宣言の延長も必要無かったとも言われています。酷い言われ様ですね。これに懲りて政府は非常事態宣言に及び腰になっているのではと。
ではどうして再び増えてしまったのか。非常事態宣言は必要無かったが休業要請は実効性があったという事でしょうか。この東京都が示したステップ3までの緩和策で再び人々の行動変化が起こり人の接触が増加したことが感染者が増加した事が原因とも言われておりステップの移行が早過ぎたとも見られています。
また夜の街関連も前回の非常事態宣言の時から把握していましたがその時は手が回らず、今回少なくなった時点で浮上してきた問題ですが、少なくなった時に徹底して管理すれば良かったのですが、緩和策を実施してしまった東京都は要請する根拠を失ってしまいました。
取るべき手段を失ってしまった小池都知事が選んだ手段が検査数の徹底した増加策です。テスト、テスト、テスト。WHOが前に言ったように検査数を増やして感染元を発見しなければ感染拡大は防げない。そう決意した小池都知事は感染者数の増大など気にする事なく猪突猛進に徹底的に検査を行う事を決めたのでした。
この余りの急増ぶりに慌てているのが政府です。一応動じない振りを見せていますが、そうとう追い詰められています。これを見ていると正に小池都知事が政権を追い詰めているように見えてきます。まさしくそうした裏の読みも見据えながらこの一連の動きを追っていかなければ本当の姿が捉えられません。
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