トランプ政権とは何だったのか、世界を振り回した4年間
- 2021.01.27
- アフターアース
バイデン政権がスタートしましたが、トランプ政権とは何だったのか、どうしてこんなに人気があったのか、これはアメリカを考える上で非常に重要な問題を秘めているようです。トランプを上手く分析出来なければこの後のアメリカの政権運営も上手く行かなくなります。
また、これからの大統領候補の戦略にも影響を与える事は間違いありません。いかにトランプ支持層を穏便に拾い上げていくかが、米国運営の肝になるからです。
これは、今までの共和党にも民主党にも満足してなかった層が地下のマグマの様に燻っていた事が目にとれます。それが独りの泡沫候補に過ぎなかった男の人生を変えてしまいました。そう彼は地下の大鉱脈を発見したのです。それがアメリカンファーストで一気に火がつきました。
この現象はあっという間に広がって共和党は体制も整わないままトランプを容認するしかありませんでした。これがアメリカの悲劇の始まりです。悲劇は言い過ぎかもしれません。まだ惨劇は起きていないから。
しかしバイデンがいくら協調と団結を強調してもトランプ支持層は無くなりません。彼らは被害者でこれまでの米国政策では利益を被って来なかったからです。綺麗事を言って我慢を強いられる様な社会にうんざりしています。特にその傾向が顕著であったオバマ大統領時代に頂点に達してトランプをお引き寄せてしまったのです。
これはバイデン政権が一番注意しなければならない事です。同じ政策を取れば、また4年後にトランプ再来を望む声が大きくなってしまうでしょう。例えトランプを永久追放しても第二、第三のトランプを生むだけです。
トランプ氏は言いました。我々の運動は始まったばかりだと。これはトランプ氏個人を超えて、トランプ的な行動を意味するものです。つまりトランプ氏が亡くなっても意志が引き継がれるような運動を指しています。
つまりトランプ的な運動は大きな流れの中にあるのです。個人の枠を超えた潮流と言って良いでしょう。もう少し暴力的なものを抑えた穏やかな運動になればより支持を広げると思います。そこにはモンロー主義、自国優先、排他主義、等が垣間見られますが、米国が昔から見られた現象でもあるのです。
そこには米国の本当の姿といった感じがします。民主主義の主導者で世界協調路線の先導者とは違う裏の顔といった本音が垣間見られます。壮大な田舎であるアメリカが気がついたら世界一のGDPの国になっていて突然学級委員長にさせられてしまった戸惑いがあります。
そして無理やり民主主義や世界協調を叫ばなくてはならなくなってしまった、無理やりやらされている感に疲れてしまったアメリカ。そこに米国の本音が溢れたのがトランプ氏の登場だったのです。
バイデン政権はまた以前の米国に戻ろうとしていますが、それは危険な兆候です。心理学的にも精神的に病んでいる米国はうつ状態になってしまう危険があります。無理やりやる気を出させようとしています。その反動は更に強力なトランプ氏を生み出しかねません。
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