ドコモ口座による銀行口座窃盗事件、ドコモの社会的責任
- 2020.09.11
- アフターアース
ドコモは被害者への全額保証を表明して、やった感を出していますが、その程度で許される問題と思ったら現状認識が甘すぎます。今回の事件は銀行口座を持っている全ての人を恐怖のどん底に陥れるほどの事件でした。誰でも銀行口座を持っているだけで口座から引き落とされる危険があったのです。
ニュースでは不正入手した口座番号や暗号番号と言ってますが、口座番号は秘密ではないし、暗号番号も一万通りしかないので、この事件では何の不正入手もなく銀行口座から勝手にお金が引き出されるという異常事件です。
銀行では、みずほ銀行と三井住友、後はソニー銀行など何社かが追加のセキュリティを施して難を逃れました。三菱銀行は参加していませんでした。
地方銀行にも甘さがあったかもしれませんが、そもそもこの仕組みは公共料金の口座振替の仕組みのものであり、それを、このようなネットを使ったお手軽決済と連携させてしまったのが間違いの元となりました。
この事件が異常で他と違う点は、サービスを使った人が被害に合う可能性があったのでは無く、ドコモと関係なく日本人ほぼ全員が被害に合う可能性があった所です。実際はセキュリティの甘かった地方銀行を中心に被害にあった訳ですが、最初は何が起こっているか分からず、日本国民を恐怖のどん底に陥れました。
これは日本国民全員に500円払う位の社会的責任があるのではないかと思われます。実際は銀行口座は持っている人でドコモと連携していた35銀行以外を除きますが、ゆうちょ銀行が入っていたので影響は大きいでしょう。500円払うとなると100億円以上になるかもしれません。
最初は被害者の過失を疑っていたドコモですが、被害の拡大と金融庁が乗り出した事を受けて態度を豹変させました。この対応も一流企業としてダメの見本のような事例を作ったのは言うまでもないですが、記者会見でも社長が出ず副社長で済ましている事から事の重大性を本当に認識しているのか疑問です。
今回の事件でドコモに対する社会の見方も非常に厳しい事が判明しました。この事件に乗っかって、これまでの携帯電話のトラブルの恨みつらみが一斉に噴き出しています。こういう声を丹念に調べて、ドコモがどういう姿勢を示すのか、これからの企業体質が問われます。ドコモの未来はここからどういう経営をするかに懸かっていると思います。
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